百合が丘クリニック

クリニックからのお知らせ

2018年12月08日

日本の漢方の歴史について2


 
A:今回も漢方と健康にまつわるお話しを百合が丘クリニック院長山中章好先生に伺っていきたいと思います。先生よろしくお願いします。   先生:はい、よろしくお願いします。   A:今回は前回に引き続き『漢方』についてのお話しです。前回は中国の漢方と日本の漢方があると伺いました。「日本漢方」は気候や体質など、日本人に合わせた漢方というだけなのでしょうか?   先生:そうですね。しかしそれだけでなく考え方にも少し違いがあります。中医学では陰陽五行論、木火土金水を中心とした考え方です。中国ではこの陰陽五行論が子どもの頃から生活の全てに密着しています。   A:日本漢方は、五行に基づくものではないのですか?   先生:もちろんベースにはありますが、陰陽五行論だけではすべての事を説明できるわけではないという意見もあり、日本漢方は独自の進歩を遂げたのだと思います。私は中医を主に学んでいますが、全てを陰陽五行論に当てはめて治らない病は無いといった考え方には疑問を覚えます、いくら漢方の腕を上げても治らない病気は無いというのは無理だと思うからです。人間は永遠に生き続ける訳では無いので、日本漢方の考え方にも一理あると思っています。   A:日本漢方は柔軟に対応して進歩しているという事ですね。中医学の方は、論理の空回りになってしまっているという事ですか?   先生:中医は陰陽五行の方程式に当てはめていくので、それだけにこだわってしまうと空まわってしまう事もあると思います。しかし今ある方剤では治療法に行き詰ってしまった時に、中医学は力を発揮します。この五行論から患者さんの身体を分析していけば、新たな処方というものが見えてきます。それが行き詰った治療の突破口になる事が多くあり、それが私の中医学が好きな点でもあるのです。   A:日本人に合わせて作ってある日本漢方の方剤では治療が上手くいかなかった時に、患者さんの身体を分析して処方を一から考えるという事ですね。本当にオーダーメードの治療法ですね。   先生:はい、治らないと言われている病気に突破口が見えた時、患者さんはもちろん私も本当に嬉しく思います。   A:では、日本漢方は、患者さんの分析をすることなく、病気の雰囲気で処方するのですか?   先生:雰囲気と言ったら言い過ぎになりますが、日本漢方の「古方」では、先人たちの教えから、こんな患者さんにはこの処方、この徴候があればこんな治療と、経験から治療を考えます。これを暗黙知(あんもくち)、暗黙の知識と言います。これは華道や茶道などにも通じるものなのではないかと思います。   A:先人の教えを学んで生かす、当(まさ)に「免許皆伝」ですね。   先生:そうですね。中医学も素晴らしく、中国では今も研究が盛んに行われているので、これからもますます力をつけていくと思います。しかし日本の気候や日本人の体質に合わせた日本漢方も守っていかなくてはならないと私は考えています。   A:日本漢方の中でも先人の教えを守る「古方派」の他はどのようなものがあるのですか?   先生:はい、「後世方派」は、唐・宋以降の書物を学ぶ派で、国学者で有名な、伊勢の国、今の三重県出身の本居宣長も医学的にはこの流れを汲んでいます。   A: 本居宣長は『古事記伝』などが有名な教科書に出てくる人物ですね。医者だったとは知らなかったです。「後世方派」はどんな特徴が在るのですか?   先生: 生薬の薬味に、温寒(寒・涼・平・温・熱)と、五味(酸・苦・甘・辛・鹹)の区別をして、経絡との関係や、薬方の中での働きの重要性によって、君・臣・佐・使の区別があるなど、かなり理論的になっています。   A: 「後世方派」は論理的に漢方を学んでいるのですね。   先生:はい、あと「折中派」といって、「後世方派」の良い点と、「古方派」の良い点を混ぜたものです。漢方は長い歴史の中で色々な人の考え、経験を積み重ねたものです。明治維新の頃、日本は欧米に追いつけと富国強兵へと漢方が一時切り捨てられたことがありました。現在も漢方だけ学んでいても医師になることは出来ません。西洋医学を学んで医師国家試験を通った後、漢方を学んで力をつけるしかありません。「折中派」で今も売られている浅田飴の処方の元を作ったとされる浅田宗伯は、明治政府の漢方廃止政策に対抗して医師になる上で漢方を広く学べるよう努力しましたが、その後も国家試験には漢方の項目は入ることはありませんでした。   A:日本でも漢方の危機があったのですね。   先生:はい。薬局で漢方を扱うことで、なんとか続いてきました。しかし本来薬剤師は診断をすることは認められていません。漢方は寒熱、湿熱など診断をつけることで処方するのですが、あくまで相談と言う形で処方しているのです。そこできちんと診断する事が必要だと医師が漢方を学ぶことが少しずつ復活して今に到ります。   A:今回は日本漢方の歴史について詳しく伺いました。日本は様々な文化を吸収して、日本風のより良い物を作ってきた歴史もあります。漢方の世界でも日本独自の繊細な感覚が生きていけばいいですね。   先生:はい、中国でも盛んに研究が進んでいますので、現代中医学も取り入れながら、日本漢方がますます発展して、癌などの難しいとされる病気でお悩みの方の手助けができればと私も強く願っています。   A:患者としても治療の選択肢が増えるのは嬉しいですね。さて、今日も薬膳を持っていただきました。これは先生何でしょうか?   先生:豚肉を漢方と一緒に煮たものです。
漢方医お勧め薬膳!豚肉と漢方の煮込み
  A:お薬臭くなくていいですね。   先生:これは豚肉が入っています。豚肉は滋陰降火があります。杜仲は補腎、滋陰降火があり、黄耆が入っていて補気、玉竹・黄精は滋陰降火、 続断は補腎、当帰は補血、紅棗は補脾です。全体としては、腎を補って補陰して腰を丈夫にします。特に女性の腰痛に効きます。   A:そうなんですね。私も中高年の仲間入りをしているので、腰痛が心配です。是非、食べたいですね。   先生:はい。毎日食べて腰痛を予防してください。   A:はい、皆さんも百合が丘クリニックホームページ、クックパッドを参考にして下さい。
 

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